今回は内分泌疾患についてざっくりと説明します。
🍎内分泌疾患
下垂体 | 下垂体機能亢進症 | クッシング病 ネルソン症候群 先端巨大症 |
下垂体前葉機能低下症 | シモンズ病 | |
甲状腺 | 甲状腺機能亢進症 | バセドウ病 |
甲状腺機能低下症 | クレチン症 粘液水腫 橋本病 | |
副腎皮質 | 副腎皮質機能亢進症 | クッシング症候群 原発性アルドステロン症 |
副腎皮質機能低下症 | アジソン病 | |
副腎髄質 | 褐色細胞腫 神経芽腫 | |
膵島 | 糖尿病 インスリノーマ グルカゴノーマ ソマトスタチノーマ |
🍎下垂体
まずは、どこから、どのホルモンが、分泌されているか確認しましょう
下垂体前葉
①成長ホルモン(GH)
②甲状腺刺激ホルモン(TSH)
③副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
④黄体ホルモン(LH)
⑤卵胞刺激ホルモン(FSH)
⑥プロラクチン(PRL)
下垂体後葉
①抗利尿ホルモン(バソプレシン;ADH)
②オキシトシン(OXT)
<疾患>
・先端巨大症(巨人症):GHの過剰産生・分泌、
・尿崩症:下垂体後葉機能低下 ⇒バソプレシンの分泌低下 ⇒多飲・多尿
・ADH不適合分泌症候群:
低Na血症と尿中Na排泄の持続 ⇒尿浸透圧>血液浸透圧
【病因】①中枢神経系疾患(脳腫瘍、髄膜炎、脳炎、脳血管障害など)
②胸腔内疾患(肺炎、肺結核、COPDなど)
③異所性ADH産生腫瘍(肺小細胞癌、膵癌など)
④薬物(抗腫瘍薬、脂質異常症治療薬、血糖降下薬、抗痙攣薬、抗神経薬など)
・Sheehan症候群(シーハン症候群):分娩時の大量出血によるショックに伴う下垂体機能不全症
・高プロラクチン血症=無月経・乳汁漏出症候群
・クッシング病(下垂体クッシング症候群):下垂体腺腫(好塩基性、嫌色素性)が原因でACTHの分泌過剰
・シモンズ病:視床下部・前葉の障害
一般的に、GH、LH・FSH、ACTH、TSH、PRLの順に欠乏しやすい
🍎甲状腺
甲状腺ホルモンは以下の通り!
覚えておきましょう。
濾胞細胞
①サイロキシン(T4)
②トリヨードサイロキニン(T3)
傍濾胞C細胞
①カルシトニン
上皮小体
①パラソルモン(副甲状腺)
<疾患>
・バセドウ病(グレーブス病):自己免疫疾患(抗TSH受容体抗体)
30~40歳の女性に多い
眼球突出が代表的症状
・クレチン病:甲状腺の萎縮のうち先天性のもの
・亜急性甲状腺炎:ウイルス感染。自然治癒する。
・慢性甲状腺炎(橋本病):
自己免疫疾患(抗TPO抗体、抗サイログロブリン抗体、抗ミクロゾーム抗体)
Ⅳ型アレルギーに分類される
40~50歳代の女性に多い
コロイド濾胞の縮小と減少
・甲状腺がん:
60~80%:乳頭癌・・砂粒状石灰化
10~25%:濾胞癌
10%:未分化癌
1~2%:髄様癌(C細胞癌)・・MEN2の部分症
🍎副腎
副腎ホルモンは名称が2つあるので間違いないように!
副腎皮質
ステロイドホルモン
⇒・糖質コルチコイド(コルチゾール)
・鉱質コルチコイド(アルドステロン)
・性ホルモン(アンドロゲン、エストロゲン、プロゲステロン)
副腎髄質
カテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)
<副腎皮質>
・クッシング症候群:
慢性的な糖質コルチコイドの過剰分泌状態
満月様顔貌(moon-face)が代表的所見
副腎に原因があるもの:約15%
副腎以外に原因があるもの
⇒下垂体性クッシング症候群:約72%
異所性ACTH産生腫瘍:約13%
・アジソン病(慢性副腎不全):
副腎皮質機能障害が原因
メラニンの代謝異常
皮膚と粘膜への色素沈着
・原発性アルドステロン症(Conn症候群):
アルドステロンの過剰分泌
副腎皮質腺腫が多い
30~40歳女性に多い
体の中にNaと水分を蓄えるために、結果として高血圧になる
尿の中にカリウムを排泄する作用をもつため、低K血症を引き起こす
レニン活性低下
断面は脂肪が多いため、黄金色である
顕微鏡的に滑面小胞体が豊富
<副腎髄質>
・褐色細胞腫
良性非上皮性腫瘍
クロム親和性細胞が腫瘍化する
20~40歳に好発する
発症性の高血圧が代表的症状
・神経芽腫
悪性非上皮性腫瘍
2歳ごろ発症し、約75%がカテコラミン上昇
新生児期の尿中VMA測定で発見
🍎膵島
▶糖尿病
・1型 インスリン依存型(IDDM)
若年発症型が多い
全糖尿病の10~15%
ラ島の減少・消失、B細胞の減少の変化が強い
・2型 非インスリン依存性(NIDDM)
肥満型や過剰栄養と関連深い
全糖尿病の80~85%
ラ島の形状は正常・増加・軽度減少、B細胞は正常または増加
腎病変:キンメルスチール・ウィルソンの子宮体硬化、慢性腎不全
糖尿病性網膜症:網膜出血、眼底写真
糖尿病性神経症:末梢神経障害、壊疽(四肢末端)
動脈系:アテローム硬化症
▶インスリノーマ、グルカゴノーマ、ソマトスタチノーマ
⇒ランゲルハンス島構成細胞腫瘍
・インスリノーマ(β細胞):20~60歳、低血圧発作、20%くらいは無症状
・グルカゴノーマ(α細胞):皮膚症状、糖尿病、貧血など
・ソマトスタチノーマ(D細胞):45~75歳、 糖尿病、胆石、脂肪便、体重減少
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