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血液検査 ~凝固・線溶~

凝固・線溶検査は苦手な方も多いと思います。
まずはざっくり把握しましょう。

オススメ本

🍎凝固因子

主に肝臓で産生されます。

因子慣用名生成産物
フィブリノゲンフィブリントロンビンが作用するとフィブリンモノマーとなる
プロトロンビントロンビン<プロトロンビン>
ビタミンKの存在下のもと、肝で合成
Ⅹaの作用によりプロトロンビンフラグメント1+2(F1+2)が切れてトロンビンになる
<トロンビン>
内皮細胞にあるトロンボモジュリンと結合するとⅤ、Ⅷ、ⅩⅢ、PLT、フィブリノゲンを活性化できなくなる。
PCを活性化し、抗凝固的に働く
組織因子(TF)補助因子内皮下細胞で産生され、ⅦaがⅨ因子やⅩ因子を活性化する反応を加速する補助因子
カルシウムイオン補助因子
不安定因子Ⅴa
(補助因子)
保存に対し不安定
 ⅦaビタミンK存在下で肝で合成される
 Ⅷa
(補助因子)
少量のトロンビンとⅩaにより活性化される
 ⅨaビタミンKの存在下のもと、肝で合成
 ⅩaビタミンKの存在下のもと、肝で合成
ⅩaはAT、TFP1により不活化される
 Ⅺa
 Ⅻa陰性荷電面に接触して活性化され、Ⅺ因子を活性化
ⅩⅢフィブリン安定化因子
(HSF)
ⅩⅢa
トランスグルタミナーゼ
Ca2+存在下でトロンビンが作用してⅩⅢaとなる。
フィブリンモノマーを架橋結合させ、安定した不溶性フィブリンにする。

▶接触因子:f-Ⅻ、f-Ⅺ、プレカリクレイン、高分子キニノゲン

▶ビタミンK依存因子:f-Ⅱ、f-Ⅶ、f-Ⅸ、f-Ⅹ、プロテインC、プロテインS

▶補助因子:f-Ⅲ、f-Ⅳ、f-Ⅴ、f-Ⅷ

▶不安定因子:f-Ⅴ

 安定因子:f-ⅩⅢ

▶VWF:f-Ⅷを複合体を形成して血中へ運ぶ

🍎凝固カスケード

【第1相】

<外因系>

活性化されたⅦ因子が組織因子とCa2+と結合して、Ⅸ因子やⅩ因子を活性化する。

<内因系>

組織因子が混ざらないように採血した血液が試験管などで凝固する過程。

【第2相】

プロトロンビンをトロンビンに分解する

【第3相】

フィブリノゲンからフィブリンができる

🍎凝固の制御

凝固カスケードを進めないようにする働きをする物質

▶アンチトロンビン

・肝で合成

・ヘパリンやヘパラン硫酸を補助因子として、トロンビンやⅩaを不活化して凝固を抑制する。

▶プロテインC、プロテインS

・ビタミンKに依存して肝臓で産生。

・プロテインCは血管内皮上のトロンボモジュリンに結合したトロンビンによって活性化され、プロテインSを補助因子としてⅤa、Ⅷaを失活させる。

▶TFPI

・外因系凝固阻害因子。血管内皮細胞で産生。

・Ⅷa、TF、Ⅹaの複合体の活性阻害

🍎線溶

フィブリノゲン分解反応

・二次線溶:プラスミンがフィブリンを分解する反応

・一次線溶:フィブリンやフィブリノゲンを分解する反応

一次線溶は通常起こらない!
<起こりやすい条件>
運動、ストレス、静脈うっ血
腫瘍からの活性化物質の放出
先天性α2PI欠乏症

▶プラスミノゲン

・肝で合成される糖蛋白質

・フィブリン親和性

▶組織型プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)

・血管内皮で産生

・フィブリン親和性

▶ウロキナーゼ(UK)

・腎細胞で産生

・プラスミノゲンを活性化してプラスミンに変える

▶ストレプトキナーゼ(SK)

・溶血性レンサ球菌が産生

・フィブリノゲンをフィブリンに変える

🍎線溶の制御

▶プラスミンインヒビター(αPI)

・肝で産生される

・プラスミンと特異的に結合

・プラスミンがフィブリンに結合するのを阻害

▶プラスミノゲンアクチベータインヒビター(PAI)

・内皮細胞、巨核球、肝細胞、脂肪細胞が産生する糖蛋白質

・t-PAやUKと複合体を作り不活化する

▶トロンビン活性化線溶阻止因子(TAFI)

・肝で合成

・トロンビンで活性化

・フィブリンC末端のリジン残基を切断させることによってフィブリンに結合できなくする

▶抗プラスミン剤

 イプシロンアミノカプロン酸、トラネキサム酸

 プラスミンやプラスミノゲンがフィブリンへ結合するときに結合して線溶を制御する

🍎分子マーカー

▶FDPとDダイマー

 FDP:フィブリン・フィブリノゲン分解産物

 Dダイマー:フィブリン血栓ができ、二次線溶が起こっている証

DICや静脈血栓症など二次線溶と凝固亢進を知るための分子マーカー

▶SF、SFMC、FPA

 フィブリノゲンから安定化フィブリンになる中間産物

凝固亢進の分子マーカーとなるDICや各種血栓症の早期診断を目的として測定

▶TAT、F1+2

 トロンビン産生の分子マーカー

 凝固亢進状態を示唆

▶PIC

 プラスミン産生の分子マーカー

 線溶活性化を示唆

以上のことをざっくり整理すると、、

これをさらに詳しくみると、、

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