臨床検査 血液検査

血液検査 ~凝固・線溶系の異常~

🍎PT・APTTの凝固異常による疾患

 PT
正常異常
APTT正常血小板異常
ⅩⅢ因子異常
外因系凝固因子(Ⅶ)異常
ビタミンK欠乏
フィブリノゲン活性減少
異常内因系凝固因子(Ⅷ、Ⅸ、Ⅺ、Ⅻ)異常
von Willebrand病
血友病A,B
ループスアンチコアグラント
抗リン脂質抗体症候群
DIC
線溶亢進
共通系凝固因子(Ⅰ、Ⅱ、Ⅴ、Ⅹ)の異常
大量出血
DIC(進行)

★PT-INR(国際標準化比)
ワルファリンのコントロール指標
※ワルファリン:Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ阻害
 Ⅶが半減期が一番短いのでPTに影響しやすい

🍎線溶亢進

<血友病>

★血友病A:第Ⅷ因子の欠損

 血友病B:第Ⅸ因子の欠損

伴性劣性遺伝 ⇒発症はほとんどが男性

・先天性凝固因子欠損症の大部分を占める

・APTT延長、出血時間正常

関節内出血、筋肉内出血

<von Willebrand病(VWD)>

Type Ⅰ:VWF抗原量が低下(優性遺伝)

Type Ⅱ:VWFの活性が低下(質的異常)

Type Ⅲ:VWFが欠損(劣性遺伝)

・APTT延長(Ⅷ因子活性低下)、出血時間延長

・鼻出血、歯肉出血、月経過多など粘膜からの出血

VWFはF-Ⅷの運び屋🚚
VWFと結合しないと、F-Ⅷは血中を循環できない。
そのため、VWFに異常があるとAPTTが延長していまう。

後天性VWD

骨髄増殖性疾患、Bリンパ球増殖性疾患、甲状腺機能低下症などでVWD類似の病態を示す

<ビタミンK欠乏症>

★ビタミンK依存因子:f-Ⅱ、f-Ⅶ、f-Ⅸ、f-Ⅹ、 プロテインC、プロテインS

・出血傾向となる

・PT延長

・ワルファリンはビタミンK欠乏に似た状態にする

新生児メレナ:未熟児に高度にビタミンK依存因子が少ないときに生ずる

<播種性血管内凝固(DIC)>

・細小血管内にフィブリン血栓が多発している

・二次線溶も亢進

★基礎疾患が必ず存在する

 (重症感染症、白血病(AML-M3)、悪性リンパ腫など)

・臨床像:出血(紫斑、血尿、消化管出血)

     腎不全

     血栓塞栓症 ⇒多臓器障害

検査所見

・血小板↓

・PT・APTT延長

・プラスミノゲン↓

・AT↓

・二次線溶亢進

 ⇒FDP(Dダイマー)↑、フィブリノゲン↓、TAT↑、PIC↑

<抗リン脂質抗体症候群>

★ATPP延長なのに血栓ができやすい

・動静脈血栓症、習慣性流産、軽度の血小板減少など

・半数がSLEを合併して発症

・ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、β2-GPⅠ抗体

血液検査 ~凝固・線溶系の異常~

2023/8/16

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